お母さんはパフ 魔法のリュウだよ

子どもたち

「パフ」という歌がありますよね。

わかりやすいメロディとシンプルなリズムで、歩きながら口ずさんでしまうような歌だよね。

パフ 

魔法の竜が暮らしてた

海に朝の霧、たなびくホナリー

リトル・ジャッキー・ペーパー、ともだちで

仲良くいつでもふざけていた

この歌に出会ったのは、音楽の教科書。ぬいぐるみのような優しそうな竜と、男の子の挿絵がついていたと思う。

男の子のジャッキーと大きな竜のパフは大の仲良しだったから、二人でいれば無双だったのね。

ボートを漕いで、旅を続けた

大きな尻尾に、ジャッキーを乗せて!

王様たちは挨拶をした

海賊たちは旗を下げた

でも……この続きは悲しいストーリー。

パフは竜で年をとらないけれど、ジャッキーは大人になってゆく。

そして、とうとうある日、もう遊びに来なかった。

パフは泣きながらジャッキーを待っていたけど、やがて諦めて、頭をたれてほこらに帰る。

それからパフはひとりぼっちで寂しく暮らすのでした。

元の歌詞は英語なので、訳もいろいろ。何番まであるか、も諸説あるみたい。

それでね。

ふと、ね。

子どもたちが小さかった頃が懐かしく思いだされたですよ。

まだ小さかった子どもたちと私は、間違いなく親友で、子どもたちからの愛情と信頼に、私はすごく支えられてた。

まるでジャッキーと一緒のときのパフみたいに。

それは幼児の本能的な必然であって、愛情とは違うのかも知れないけど、確かに私に真っ直ぐ向けられていた。

基本いつも何もかもが不安で、私を好きな人なんて誰も居ないだろうと思っている自分にとっては、それは夢のような幸せで、心強く、安心できたひとときだったんだ~。

当たり前だけど子どもたちは大きくなって、私とは別の人になって、離れていく。

それは確かに寂しいけど……、

でも、お母さんはパフみたいに泣いて暮らしてはいないよ。だって思い出がいっぱい心の中に残ってるからね。何度でも思い出して、幸せを味わうことができるんだ。

パフ。

もしかしたら、パフだって同じかもしれない。楽しかったことを一つ一つ思い出して、温かな気持ちで眠っている夜もあるかもしれない。

それに、またジャッキーのような子がパフを尋ねてきているかもしれないよね。

だといいな。

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