子どもたちがちっちゃかった頃、車にみんなを乗せてよく出かけていました。
バスも通っていない、近所に店もない田舎だからね。
公園も、スーパーも、この辺の人はみんな車よ。大人はみんな車を持ってるのが普通の地域。
その頃の私は若いお母さんで、運転は今よりもっと自信がなかった。それに、昔だから、車にはバックモニターもセンサーもアシスト機能も無かったのよ。自分の感覚のみ。
駐車場にバックで駐めるのは緊張したなあ!
左右に注意しながら、そろそろと、ゆっくり、バックしていく。右側大丈夫?左は?
私につられて、車間を見ている子どもたちに聞いてみる。
「お隣の車との間はどのくらい?
だいこん1本ぶん?それともにんじん1本ぶん?」
子どもたちはまだ、m(メートル)もcm(センチメートル)も知らなかったからね。
考えたわけ。
「だいこん1本ぶーん!」
「あっ、もうにんじん!」おっとっと。
懐かしいなあ、あの子どもたちのナビゲーション。にぎやかな幼い声。
こういう思い出に支えられて暮らしてる。