海と空の青を背景に、砂浜を自走する白い構造物。あるものは帆をはためかせ、あるものはプロペラを回して。
無数の細いパイプでできた無機質な体、でも、その動きは多足動物のようで妙になまなましい。『風の谷のナウシカ』のオウムみたい。
これがテオ・ヤンセンさんが創造した砂浜の生き物たち、ストランドビースト。
一度映像を見たら、忘れられないよね。神話の生き物のようで 荘厳でさえある。
彼らの動力は、風。ヤンセンさんいわく「風を食べて生きるビーストたち」。
ヤンセンさんは冬、新しいビーストの構想を練り、工房で体を組み立てる。
そして初夏、十分に風が吹く頃合いになるとビーストを海辺に「連れて行き」、夏のあいだじゅう浜辺で動きを調整して、ビーストを完成させるのだそうだ。
ビーストたちは手入れをされながら、風を食べて動き、歩きまわってひと夏を過ごす。
夏が終わると大きな倉庫に仕舞われて眠りにつくんだけど、展覧会が開催されるたびに目を覚まして世界中に出かけてゆく。
ヤンセンさんとビーストの映像。ヤンセンさんといると、ビーストが生き物のように見えてくる。
ヤンセンさんが、生き物として扱っているからだね。大きな子どものようで、愛らしく見える。
ビーストたちが向かい合って尻尾?頭?を動かしている姿は、「彼らがコミュニケーションをとっている」のだそう。ちょっと頭の尖ったイモムシみたいな動きでゾワッとするんだけども。
世代を重ねるに従って、ビーストは進化を遂げている。
例えばあるビーストは、風が強くなると倒れないように自分で砂浜に杭を打ち込むんだよ!コン、コンって。
ハンマーがついてるの。
風は好物だけど、強すぎると大敵。ビーストは、倒れたら起き上がれないから。でもこのぶんだと、次は起き上がるビーストが生まれるかもしれないな。
2023.10〜2024.1の千葉県立美術館のテオ・ヤンセン展に行ってきました。
実際に動かしてくれる、「リ・アニメーション」が1日に何回もあって楽しかった。
展示も至近距離でゆっくり、じっくり見られたよ。
ただ、12/3の歩行イベントの日は激混みで、なんと入館すらできなかったの!
1月にリベンジしたら、すいてて快適だったよ。
ショップでプラモデルの「ミニ・ビースト」も2点購入~。 組み立てました~。